現在、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) と欧州宇宙機関 (ESA) の共同プロジェクトで水星の探査計画が進んでおりますが、その探査機の名前は「ベピ・コロンボ」と言います。
ベピ・コロンボ自体は欧州宇宙機関で開発した探査機なのですが、そのベピコロンボには、JAXAが開発した探査機「みお」がくっついています。二身一体の探査機なんですね。
ベピコロンボは2018年10月19日にギアナ宇宙センターから打ち上げられ、現在水星に向かっているところです。水星周回軌道に入った後、ふたつの探査機は分離してそれぞれの探査を行う予定になっています。
で、実は水星というのはものすごく高速で公転しており(そうじゃないと太陽に落下してしまう)、水星の周回軌道に探査機の乗せるというのは技術的にかなり難しいことらしいです。
そういえば、日本のJAXAが打ち上げた金星探査機「あかつき」も、金星の周回軌道に乗せようとして一度失敗していますよね。金星の公転よりも速いスピードで金星を追い抜く瞬間に、ジェット噴射で減速して金星の重力に捕まえてもらおうとしたのですが、トラブルによりジェット噴射の時間が予定よりも短かったため、十分に減速できず、金星の重力圏から抜けてしまったんですよね。再トライするのに6年かかったという。
ベピ・コロンボの場合は、金星よりも速い速度で公転している上に重力が小さい水星が相手なので、さらに難易度が高いミッションになります。地球、金星、水星でなんどもスイングバイを繰り返し、微調整を繰り返しながら水星とランデブーを行います。なんとスイングバイの回数は計9回! 水星軌道に入るのは2025年ということで、出発から7年間の長い旅路となります。
スイングバイというのは緻密な計算によって、針の穴をとおすような制御で行うものなのですが、それが9回ってすごいことです。少しでも間違えばあさっての方向に行ってしまいますね。
感覚的に、地球から見て、外側の方向(火星や木星の方)に行くよりも太陽に近い内側に行く方が、太陽の重力がある分簡単なような気がしておりましたがそうではなかったんですね。
で、その複雑な水星探査機ベピコロンボの旅路をわかりやすく動画にしたものがあったので、シェアします。スイングバイする瞬間もわかるようになっているので面白いです。
これ、すごいですね!
だれがこんなすごい経路を考えたんだろう??
宇宙開発の技術ってすごいものです。